『Mortal Stakes』Robert B. Parker (邦題『失投』)

 

Mortal Stakes (Spenser)

Mortal Stakes (Spenser)

 

Robert B. Parkerの『Early Autumn』(邦題『初秋』)は、自分の中でベスト10に入る大好きな小説で、他のParkerの本も読んでみたいとずっと思っていたのだが、なかなか読めずに何年も経ってしまった。全部で39作あるスペンサーシリーズで自分にとって2作目として『Mortal Stakes』(邦題『失投』)を選んだ。

やはりRobert B. Parkerはおもしろい。なんというか、雰囲気がかっこいいのである。

ボストン・レッドソックスのエースであるマーティ・ラブは、とある家族の秘密をネタに八百長を強いられる。家族をとるか、野球をとるか、答えのない問いに直面する。そこでスペンサーがマーティにかけた言葉がまたかっこいい。

Grow up, Marty," I said. "The world's not all that clean. You do what you can, not what you oughta." 
(訳:「大人になれよ、マーティ」と私は言った。「世の中はすべてがそんなにきれいなものばかりじゃない。すべきことをやるんじゃない。できることをやるだけだ。」)

僕の英語理解力がないからか、スーザン・シルヴァマンとブレンダ・ローリングそれぞれのスペンサーとの関係性が今ひとつ理解できなかったのだが、ブレンダとの関係を指してスペンサーが言った言葉もまたかっこいい。

"Maybe continuity is better than change." 

(訳:変化よりも継続の方がたぶんいい。)

もう一つかっこいいなと思うのは、ところどころ出てくる食事のシーンだ。一緒に食事を取る相手との関係性やスペンサーの心理が食事に反映されていて、それがまたかっこいいのだ。

またちょくちょくスペンサーシリーズを読んでいきたいと思う。